電脳経済学v3> aご案内> a70コメント集> ct22 コメント22
(当初掲載日:2003年02月12日 )

C22: 電脳経済学を拝見しました。その中で一つだけ気になる点があります。「b50熱交換の原理」は「熱交換の原理」とする方が妥当ではないでしょうか。(原文は英文)


R22: ごもっともなご指摘です。この用語法については考えた末の選択です。機器の名前の方がイメージし易いと考えました。ご承知の通り熱移動には次の形態があります。

  1. 伝導:直接接触による熱移動。例、鍋が熱くなる。主として固体が対象。
  2. 対流:熱媒体自体の移動による熱移動。例、風呂が沸く。主として液体が対象。
  3. 放射:電磁波としての熱移動。例、電子レンジによる調理。主として気体/真空/空間が対象。

熱交換器の場合はパイプ壁面を通しての温度勾配による伝導と考えます。ここで、熱力学第二法則:「熱が高温物体から低温物体へ移る現象は不可逆である」が前提になります。熱の正体は分子運動ですから熱移動とは分子の運動エネルギーが玉突き状態で伝わる現象に外なりません。

図b50-1熱交換器の原理に示すようにエネルギー(情報を含む)とエントロピーの交換に格別の意味を込めたつもりです。この考え方は右隣の図b50-2変換系の基本形式においてさらに明らかです。換言すれば熱交換とすれば熱伝導と受け取られると考えました。熱伝導の場合でも当然エントロピーは発生します。しかし、ここでの力点は冷水のもつエントロピーが低熱側に渡される現象に置かれます。このことは環境問題との絡みから決定的な意義を持つので改訂版で詳しく論じる予定です。