電脳経済学v8> f用語集> dsr 欲 (desire) (当初作成:2016/06/26)
1.梗 概:
<1> 一般的な定義: @ほしいと思う心。Aむさぼりほしがる心。B自分のものにしようと熱心に願い求める気持ち。
<2> 類語として: 欲望・欲求・欲情・欲念・欲心・私欲・我欲・執着・煩悩・意欲・色気・野心・向上心。
<3> 日常文脈では: @食欲
A性欲 B集団欲がよく知られる。@Aは生物的/生理的な欲求で夫々自己保存、種族保存の表れとされる。生理的な三大欲求としてBに睡眠欲を当てる場合もある。しかしここでは社会的欲求としてB集団欲を挙げる。人間に限らず生物は個体のみでは生存を確保できないので集団を形成する本能がある。集団欲とは平たくいえば社会性に絡む支配欲ないし帰属欲である。権力欲、金銭欲、名誉欲など挙げれば際限ない。東洋思想とりわけ仏教では欲望の抑制を説くけど、欲は本来的に善悪の問題ではない。上記<2> 類語の末尾にある向上心や学習意欲なども欲であり、生存欲は生物存続に必須の要件である。「存在や認識」も同様だが、人間の感情や感覚に絡む方が理解し易い。脳は情報の捨て場であり人間の認識はそこから始まる点に留意したい。
2.要約/結論:
(1) 哲学では:
G.トゥルーズやF.ガタリは欲望を相対的・肯定的に位置づけている。つまり、消費により象徴される欲望の果ては際限なき資本蓄積に至る。彼はそれを「器官なき身体」と呼び資本主義に対抗する哲学の構築を試みた。別な表現をすれば経済系を生態系における物質循環完結の観点から捉えようとした。
(2)心理学では:
欲求は心理学にとって鍵概念である。なぜなら内的な欲求はそのまま本能に直結し、外的な欲求はそれの社会的要求に他ならない。両者の境界面の葛藤から意識作用が現れ、通時的には無意識からの衝動がこれに加わる。
(3)量子脳では:
物事は複雑に捉えれば限がない。笑われたり嫌われてもよいとして失敗を恐れなければ気が楽になり道が開ける。それは単純化と整理に尽きる。曖昧さやAbout精神ともいえる。結論は簡単で、一晩ゆっくり眠ると就寝中に脳が働いて整理してくれる。要は、夜死んで朝生まれると信じるか否かだ。
3.参考資料:
(1) 欲
(Wikipedia)
(2) 神経経済学 日立総合計画研究所
(3) 『ポスト資本主義 科学・人間・社会の未来』 広井
良典 岩波新書(新赤版1550)