<1>
社会経済的な地位や立場により序列化された集団区分。
<2>
マルクス主義では資本家階級と労働者階級に二分する。
<3>
カーストや士農工商のように歴史的に固定された身分制度。
[説明]
(1)階級の用語は単独に用いられることは稀で、知識階級、上流階級、階級意識、階級政党、階級闘争、階級国家などの用語法において意味が現れる。これは明らかに不平等な社会関係を表していて、その解消までが視野に収められている。人間は本来平等であるべきだが何らかの理由で人間社会には差別が満ち溢れている。自由の問題は個人意識のあり方で何とかなる。ところが、平等の実現は社会問題そのもので個人の努力は遠く及ばない。この見方は上記<2>の立場を代表している。社会関係を支配対被支配、搾取対被搾取という二元対立的な関係から捉える場合、階級の用語は被害意識を持つ階級側から提起される点に特徴がある。一方の加害者には加害の意識はもとより階級の意識もなく問題自体に無関心である。
(2)一方、階級とはたんに社会の属性を指す用語であり社会は役割分担や上下関係によって成り立つとする立場もある。いかなる社会制度もそれなりの歴史的・社会的な必然性の帰結として現れているので、自分たちの価値観に基づいてとやかく言うべきではないという考えもある。