1.梗 概
<1> 非戦闘分野軍事活動の略称。
<2> 戦闘行為を伴わない軍事行動一般。
<3> 国家間紛争の事前抑止を目的とする非定型的な軍事作戦全般。(電脳経済学)
<4> 従来の戦争概念を覆すであろう新世界秩序を狙う戦略理論。(電脳経済学)
2.用語の背景説明
(1)海上自衛隊から米海軍大学に派遣された国際研究員兼連絡官によるNCMO(非戦闘分野活動)に関する論文が同大学報告に掲載され注目されている。因みに米海軍は2004年のスマトラ沖大地震以降、人道支援や災害救助の作戦に力を注いできた。下記(2)に示すように2011年の東日本大震災の経験や最近の内外情勢に照らして海上自衛隊はその活動範囲に再検討を加えている。各方面にわたる多国間協力の重要性が高まる時代文脈を踏まえて筆者なりのNCMO構想を本ページに示す。(3.参考資料(1)から一部引用)
(2)NCMOは最近提唱された構想で定式化された概念規定はない。さらに軍事活動や戦争概念を巡る予備知識によって捉え方が著しく異なる用語でもある。現時点では未だ纏まりを得ないにも拘らず下記(3)の理由並びにその意味深長性や展開可能性に鑑みて敢えて取り上げた。先ず幾つかの具体的事例から類推を試みよう。@自衛隊の災害出動 A東日本大震災時における米軍による「トモダチ作戦」 B環太平洋合同演習(リムパック) C国連平和維持活動(PKO) D屯田兵の現代版 E兵站
(logistics) FCALS/EC
(3)社会通念として戦争は直接的な殺戮を意味する。それは戦争の最終的な一場面を指すとしても戦争を取りまく全体像ではない。そこに至るには壮大な前史や錯綜した背景がある。それを人間の死に譬えれば人間の死はそれまでの生を巡る様々な顛末の結果として死であり、その死だけを以て死を説明することはできない。戦争を避けたいと最も強く願っているのは他ならぬ軍人たちである。何故なら有事に際して真っ先に死に直面するのは軍人自身であるからである。戦争を巡る思想傾向なり理解能力の整理がないとNCMOの用語説明は意味をなさない。端的にいえば、NCMOは第一義的に戦争抑止を狙いとする広範な軍事的方策を通して国際紛争の未然防止を企図する。具体例としては貧困、疫病、災害、暴力等の無秩序状態/非常事態に対する体系的な取り組みが相当する。
(4)NCMOを急遽取り上げた理由は下記3.参考資料(6) (7)にあるODAとの絡みからである。ちなみに筆者の本業は国際技術協力である。現代地球社会における対外関係は政府や企業といった組織形態の如何を問わず外交、軍事、環境、金融、司法、会計などを巡る分野横断的な知見に基づいた取り組みが要請される。それは結果的に多国間の連携つまり制度の国際化に帰趨する。平和は観念や机上では実現しないので先ずは現実世界を十全に理解することから出発すべきである。
3.参考資料
(1) 朝日新聞DIGITAL
2014年7月15日 海自の災害救援 海外強化 …
(2) 海上自衛隊幹部学校 戦略研究会 論文抄録
(3) 海上自衛隊第1護衛隊群 コラム12
NCMO
(4) 作戦とは goo-Wikipedia
(5)
チャンネルNippon NCMO
コンセプト
(6) 政府開発援助(ODA)大綱見直しに関する有識者懇談会の開催 平成26年3月28日 外務省
(7) ODA大綱見直しに関する有識者懇談会報告書(pdf) 平成26年6月