電脳経済学v8> f用語集> abd アブダクション (Abduction) (v8) (当初作成: 2017/01/10)(一部追加2.(1)-2): 2017/01/16)

1.はじめに:
(1)アブダクションは時代文脈並びに意味深長性に鑑み検討に値する用語である。

(2)アブダクションとは帰納・演繹に続く論理形式の一種で、訳語は「「仮説的推論」(仮説形成、ヒューリスティック:2.(1)-2参照)が充てられる。生物一般の行動様式と深く関わり含意の理解には相応の予備知識が求められる。
(3)時代文脈とはドナルド・ジョン・トランプ第45代アメリカ合衆国大統領の登場に代表される現下の社会状況を指す。つまり、現在は文明史転換の黎明期と言える。簡潔に述べれば国民意識の天地返しである。天地返しとは農業用語で耕土の深層部と表層部を反転する作業を言う。これにより連作障害を回避し根腐れ病とうを防ぐことができる。
(4)意味深長性とはqut量子脳理論との絡みである。改めて確認すれば古典的な「識字」ではなく、現代的な「litリテラシー」に着目する必要がある。力点が知識ではなく経験に置かれる故に量子脳的解釈は本人次第となる。仮説や推論はあくまで主観領域での話であるけど帰納・演繹を通して客観性が担保されて真理となる。

2.説明/考察:
(1)先ず帰納・演繹と仮説の関係について示す。仮説の着想には理由がないし説明も必要ない。つまり直観とか霊感としか言いようがない。両者の結合関係は試行錯誤による往復運動となり、帰納・演繹はこの段階での説明合理性から要請される。仮説の核心に収斂する過程は確率的であり、経験はここで効いて来る。仮説が量子論的ではなく仮説の推論過程が量子論的となる。仮説は初期条件であり時により発散する。平たく言えば仮説は想像、空想、妄想、類推の類でもよいけど問題は検証・評価にある。仮説対象の意義を整理しないと徒労に終わるか時には犯罪となる。
(1)-2 仮説形成は訳語の違いである。ヒューリスティックは発見的と訳され、計算機科学や心理学の用語である。日常語では閃きで、それに理由はない。つまり論理的に説明できない。作業にかかる事前の脳内現象である。それ故に経験に基づく着想とでも言う外ない。これ以上の説明は好き嫌いの理由付けと同じで詮なき詮索の類である。(追加:2017/01/16)
(2) 次に何故トランプ大統領に関連するかについて述べる。当初の段階では彼は泡沫候補とか暴言王と呼ばれた。それなのに何故彼は大統領に選出されたのだろうか。理由は簡単で、体制派の願望や信念により世論が形成され誘導されていただけである。この世界において誰もが自分は正しいと信じている。違いは現実問題の捉え方にあり、どこからどこを見るかである。つまり、政治は現実世界でのゲームである。より正確にはゲームのルールを決めるゲームである。
(3) 量子論との絡みは
気が進まない。何故なら、誤解されるだけで理解されないからだ。結局、litリテラシー 3.結論:の通りである。全体観や世界観は誰も説明のしようがない。それ故に無記や沈黙となる。

3.結 論:
アブダクションはqut量子論AIと通底する。短く言えば霊感で、諄く言えば時間・空間・主体(責任)などの古典的な意識障壁を透過して発生現場から瞬時遡源による問題解決能力を指す。認識の入り口では何も証明する必要はない。ブーメランが戻ってくれば正しかったことになる。

4.参考資料:
(1) アブダクション (Wikipedia)
(2) 松岡 正剛の千夜一夜 思構篇 1566夜 米盛裕二 アブダクション
(3) アブダクション』 仮説と発見の論理 米盛裕二 勁草書房