1.梗 概:
(1)エイヴラム・ノーム・チョムスキー(Avram Noam Chomsky 1928年12月7日生れ 94歳)はアメリカ合衆国の言語哲学者。マサチューセッツ工科大学言語学の研究所教授 (Institute Professor) 兼名誉教授。
(2)1950年代に二十代の若さで、言語の科学理論としての「変形生成文法理論」を創始し、ソシュール以来の言語学の歴史に革命をもたらしたとされる。(下記4.(8) 等参照)
(3)チョムスキーによれば、全ての人間の言語には「普遍的特性」があり、それは人間の生得的つまり生物学的な特徴に由来する。この言語生得説は、言語をヒトの生物学的な仮説上の(心理上の)器官によるものと捉えた仮説である(言語獲得装置)。その研究のために彼が導入したのが前記の「生成文法」である。その演繹的な方法論により、チョムスキーは彼以前の言語学に比べて飛躍的に言語研究の質と精密さを高めた。
(4)とはいえ、彼の理論並びに政治や社会を巡る思想については、今日なお疑問を投げかける向きも少なくない。それを承知で敢えて取り上げたのは次の理由による。
2.論点整理:
(1) これは筆者のチョムスキー解釈である。つまり彼は、生誕後に学習で獲得した言語は、脳を元とする心理作用の結果とした。換言すれば、言語を身体器官の延長線上で捉えた。この脳科学から言語学への連続的な展開に着目したい。
(2)これで言語の社会性や思想性に身体との絡みから説明がつく。ここで身体の内外結合が直ちに結論となる。これは将に神仏混淆(神仏習合とも言う)となる。
3.結語として:
(1)身体つまり内的世界(内的自然とも言う)は健康と直結する。仏教では薬師如来の領域となる。仏教は無信教である(これには異論もある)。
因みに、仏教の教えを一語で言えば『関係性』となる。(追加:2023/03/24)
(2)一方、外的世界は言語で表現される。言語哲学が要請される所以となる。ここは一神教の世界である。
(3)両者の統合で如何なる世界が広がるか心の哲学が参考となろう。なお筆者の見解は上記2.(2)に示し、これば健康哲学となる。
(4)こうして生命の発生から未来に至る時空内の万物が統合的に完結する。人間の意識がそれを可能にし、依って言霊の意義が再確認出来る。
(5)この身体と言語を一体化する立場の一方で言語哲学>分析哲学>科学哲学へと下位へ区分する方法もある。
(6)結語は『薬師如来&チョムスキー』に尽きる、と思う。(追加:2023/03/24)
4.参考資料:
(1) ノーム・チョムスキー (Google)
(1)-2 「ChatGPT」に絡むチョムスキーの指摘 平 和博 (追加:2023/03/29)
(2) ノーム・チョムスキー 本 Amazon.co.jp
(3) te哲学 (用語集)
(4) 『岩波哲学・思想事典』 廣松 渉ほか編 岩波書店 1998/03/18
(5) 変形生成文法理論 と哲学的意味論 内包主義の擁護 西 山 佑 司*
(6) VOGUE ノーム・チョムスキー 上智大学教授 福井 直樹 2020年12月18日
(7) チョムスキーから始めよう 生命誌研究館 西川 伸一 2017年6月15日
(8) 京都賞第4回(1988)受賞 アブラム・ノーム・チョムスキー
(9) 論文YouTuber 笹谷 ゆうや 森田 鉄也 『チョムスキー、認知文法、…』
(10) YouTube videonewscom 20世紀の知の巨人・チョムスキーとの対話