電脳経済学v6> c経済系1> c12 経済学の系譜 (一部追加:2012/01/20)
(1)経済学を築いた主要な経済学者とその学派について図c12経済学の系譜のように整理しました。これは伝統的な経済学を概観するために作成したものです。中央部の左から右にかけて古典派から新古典派の流れが認められ、この学派は正統派あるいは主流派とも呼ばれます。この図並びに図e40文明史年表から明白なように経済学は産業革命の進展と連動してイギリスを中心に発展した学問です。しかし第二次世界大戦後の中心はアメリカに移行しています。経済学が時空的な論理枠組み中心にある問題意識から形成されてきた必然性は上記文脈の通りです。刮目すべきは経済学がヘゲモニーあるいは思想(イデオロギー)の産物であっても逆ではない点です。
(2)この主流派が合理主義経済学と呼ばれるのに対し、一方ではドイツを中心とする歴史主義経済学の流れがあります。マルクス経済学も広い意味では歴史主義経済学に含まれます。この二つの流れは経済のあり方を巡って普遍合理性を重視するか特殊歴史性を強調するかの違いにありますが、前述の通り国力などが優位な先進国は合理主義経済学の立場をとります。次に述べる生命経済系の考え方 (旧称:生命系の経済)はこの系譜には含まれませんが、あえて位置づければアメリカ版歴史主義経済学としての制度学派に近いといえます。
(3)電脳経済学は物理学と生物学の知見を選択的に組み合わせた思考枠組みを指しますので批判と継承に準拠する伝統的な経済学との比較は意味をなしません。電脳経済学の狙いは自然科学的方法論の貫徹によるイデオロギーフリーにあります。したがって正義や正当性はその後の問題となります。