電脳経済学v3> d経済系2> d30 変換モデル
(全面改訂:2006年11月01日)  (一部修正:2006年11月03日)
変換モデル

図d30 変換モデル (M-C…P…C'-M')


図d30変換モデルは図d25交換の連鎖における緑色の範囲を図d20-2交換モデルに対応させて拡大したものです。変換モデルは生産・消費・分解の各系内部において経済要素(表b52-2)が組み替えられる変換系の機序を示します。生産過程を事例とする図d30変換モデルの説明は次の通りとなります。
@M()並びにこれに対応するAC()は複数の経済要素(例えば図b52の生産系では資源と労働)を対象としますが繁雑になるので図d30では一本の線で表現しています。BC'(')およびCM'(')についても同様に複数の経済要素(例えば商品と廃物)からなります。
生産主体Pは、点Bにおいて投入諸財としての商品群Cの買い手として現れ、一方点Cにおいて産出諸財としての商品群 C'の売り手としてそれぞれ外部の交換過程に現われます。このことは企業の生産過程において購買部門と販売部門が統合的に管理運営されている実態に照らして容易に納得できます。つまり企業の組織原理は対外的には買い手としての購買部門並びに売り手としての販売部門に動機づけられ内部的にも両部門に由来する緊張関係にあります。

変換主体は統合的な1つの経済主体であり売り手と買い手の2つの経済主体が向かい合う交換の場面とは本質的に異なる点に注意を要します。図c70に背景色で示す影響圏はこれを示します。民主主義も工場の入口までとはこれを比喩したもので、この視座は国家主権と産業資本を巡る根本問題に結びついて行きます。
変換系の要諦は「経済要素の変換は物理要素の交換に対応する」点にあり、その内実は図b52並びに表b52-1に余すところなく表現されています。