瞬時の基本形式 |
時間遅れの形式 |
(3)連続投入・瞬間産出 |
(4) 瞬間投入・連続産出 |
(5) 連続投入・連続産出 |
(6) 最適投資問題 |
図d45 資本の応答・同定形式 |
資本理論は生産された生産手段と経済過程とのかかわりを主題とします。とりわけ資本提供者と労働提供者の間での所得分配の在り方を巡って永年論議が積み重ねられてきました。このようなことに関連して電脳経済学における資本モデルの立場を列挙しますと次のようになります。
企業を経済主体とする生産資本のみならず各経済主体に対応した資本概念の導入について考える。つまり経済過程全体を整合的に配慮する。
熱力学第1法則における内部エネルギーの考え方に沿って変換系はストック、交換系はフローとして扱う。
応答問題並びに同定問題の考え方に基づいて数量化可能な領域から基準を設けて定式化を進める。
ちなみに応答問題とは入力と系(資本)が既知で、出力が未知な問題を指し、一方入出力が既知で系(資本)が未知の問題は同定問題と言います。これはY=F(X)の関数関係に対応させてXを入力、Yを出力、F を系とする考え方です。系(資本)の同定作業は次の理由により必ずしも容易ではありません。
系自体が貨幣単位で表現しにくい。
時間遅れを伴う。
系の境界を規定しにくく外部性が発生する。
図d45資本の応答・同定形式にいくつかの参考事例を示します。なおこれは投入産出分析あるいは費用便益分析の方法と共通した考え方であります。