図d70 経済過程の一般形式 (記号読替え:W→C; G→M) |
図d30変換モデルを生産・消費・分解の各系に適用して、その間における経済要素の流れを図d20交換モデルで結べば図d70経済過程の一般形式を得ることが出来ます。これはマルクスによる資本の運動形式を参考にして作成しものです。図d70において宇宙、地球、文化、生産資本は経済過程から括り出されて内部化されています。この構図は宇宙と人間意識の関係に対応させることが出来ます。次の注記を参考にして、図d70経済過程の一般形式からさまざまな示唆や解釈を汲み取ることが出来ます。
左上から右下に向けて物質の流れが認められます。
白抜きで例示した生産−消費−分解に対応する各領域はそれぞれP1、C1、D1にかかる投入産出関係を表わしています。
情報の流れは基本的に生産と消費の間を縫いながら水平方向に進みます。
家計部門を文化に含めれば、経済過程から括り出された地球や文化は生産資本と同じ位置づけが与えられます。
分解過程と消費過程を結ぶ経済要素として環境財が導出されます。環境財は分解過程の産出側に資源と対をなして現われます。一方、消費過程において環境財は商品と対をなして投入され家事労働に託された文化の助けを得て労働を産み出しています。
[参考文献]
(1)『資本主義経済の理論』 伊藤 誠 岩波書店 1989年5月29日 p66
(2)『経済学大辞典』V熊谷 尚夫ほか編 東洋経済新報社 昭和63年9月5日 pp511-512