電脳経済学v6> f用語集> sit 状況(=情況) (Situation/ Circumstance) (当初作成: 2011/10/01)
2.論点説明:
(1) 「状況」は日常用語として人口に膾炙していて特に説明を要しない。にも拘らず急遽取り上げた理由は2011年9月26日に東京地裁で裁判長が「状況証拠」に基づき有罪判決を言い渡したからである。ここに状況証拠とは「背景事情」「説明の合理性」「不自然さ」などを巡る「裁判官の『状況』認識」を指す。なお、ここでの論点は「『状況』の文脈ないし用語法」にあり、判決や証拠の是非ではないので誤解のないように。
(2) 時間の節約のために下記結論を踏まえてバックキャストにより簡潔に説明を加える。つまりWhy-Because反復の構図において、最初の説明で理解できればそれ以降は蛇足となる。
@ 「re歴史」にあるように歴史は「事実」と「解釈」から成り立つ。「sit状況」は歴史の中から取り出した特定の命題を巡る当事者の解釈に相当する。この文脈において状況は判断とも同義になる。(下記3.(5)参照)
A 「rcp総括」にあるように総括された歴史は「mk無記」となる。これには下記Bの条件が必要である。
B この条件とは「whWH疑問文」により整序を与えられた考察の対象範囲(Scope)を指す。@との差異は完結性にある。
C 「etc倫理」は上記の全過程を主導する。ここで図etcに示す倫理と論理の関係並びにミクロとマクロの文脈は意味深長である。
3.暫定結論:
(1) 状況/解釈/判断は主体による認識から現れる。
(2) 主体による認識において倫理意識は決定的である。
(3) 主観的に導出される倫理意識は同時に客観的説得性をもって検証される必要がある。
(4) ここで状況認識を巡る主客合一領域が社会意識に他ならない。(蛇足ながら:説明の合理性/客観性は真実/真理と同義になる。「万物斉同」では何でも同義となる。)
(5) 上記は「判断」として要約できる。さらに判断はその根拠により「人治」か「法治」かとなる。
4.参考資料:
(1) 『哲学事典』 林 達夫ほか監修 平凡社 p707
(2) 『岩波哲学・思想事典』 廣松 渉ほか編 岩波書店 p768 & p769