電脳経済学v6> f用語集> wh WH疑問文(6W2H) (wh-question; information question; wh word; interrogative)  (当初作成: 2004/01/16) (1部追加: 2007/02/05: 2012/08/28: 2013/06/27)

1.WH疑問代名詞
(1) who:主体、誰が⇒独我論
(2) whom:客体、相手、誰に
(3) what:客体、媒体、対象、何に、何で、何を
(4) when:時間、いつ⇒時空
(5) where:空間、どこで⇒時空
(6) why:理由、なぜ
(7) how to:方法、いかに
(8) how much:価格、いくらで

2.思考枠組み
人間の思考枠組みはWH疑問代名詞(6W2H)により確認できる。WH文は研究計画の構想を練る場合や社会的な出来事を伝える場合さらには企業家が事業を起こす場合などコミュニケーションのさまざまな局面で情報や事案を特定するに際して重宝されるチェック項目である。
6W2Hには ヴァリエーションがあって、whichを追加して7W2Hとしたりhow muchを除いて6W1Hとする場合もある。ここでhow muchは価格に限らず数量を問う場合もある。さらにwantを加える人もいる。 客体が人か物かでwhomやwhatになり、これらは他のWH文と重複して用いられる。
人間の思考枠組みつまり論理の組み立て方は価値観を超えて普遍性がある。WH疑問文はいつの時代でも世界中で通用するので物事を整理したり確認する場合に有力なツールとなり得る。WH文のなかでも「主体・時間・空間」は還元不可能とみなし本サイトではctg範疇(カテゴリー)に位置づけている。この三者に準拠して次のようにslp独我論が展開される。

3.電脳経済学との関係
電脳経済学の思考方法は「主体-客体」あるいは「主体-媒体-客体」を基本としている。ここで主体はwhoに相当し、whoに自身を据えればそのまま独我論になる。マルクスは「人と人」の関係を「人と物」の関係から捉え直して独自の経済学を提示した。彼によれば、物は媒体としての資本を指すので「主体-媒体-客体」は「資本家-資本-労働者」に対応する。マルクスの主張はこの関係を反転して資本は労働者に帰属・従属すべきだとした。しかしこうなると、もはや労働者とは呼べない。日本はもとより世界を覆うその後の社会混乱はこの反転現象に遠因がある。
電脳経済学によれば、客体は最終的には自然つまり宇宙になり、かくて対象となる人間もまた客体になる。なぜなら社会は第二の自然とされこの文脈から人間も自然の産物となるからだ。しかしこの思考法は自己矛盾に陥るので慎重に取り扱う必要がある。電脳経済学の結論である梵我一如は6W2Hが消滅した状態に相当する。主体の実体は哲学の領域になるが関心のある方は独我論宇宙あるいはオントロジーを参照願いたい。意識の拡大とともに主体が漸次消えゆく考え方を次節に示す。蛇足ながら、このフェードアウト意想は自ずと安寧な死生論に繋がる。

4.主体・時間・空間を巡る錯覚
時間と空間を合わせて時空と呼ぶ。(例えば図ct03-2ミンコフスキー時空がよく知られる。)これは世界を光速基準の運動状態として捉える相対論の立場である。この場合に世界を捉える主体(観測者)が要請されるので主体・時空あるいは主体・時間・空間(三者)は一包みの概念となる。因みに時間も空間も物質の運動状態を記述するための便宜的な基準系であり実体はない。一方、意識の世界では光速を超えることができるので相対論の地平を離れて宇宙の外側が見えてくる。つまり三者が一致すれば三者は消滅し三者の存在自体が錯覚現象となる。したがって時空とは上記1.の(2)-(8)を指しこの文脈から独我論は1.(1)主体に対応するがこの場合(2)-(8)がフィードバックされた後の主体となるので結果的に両者は表裏の関係となる。矛盾とか錯覚はこの過程で現れるが時空感覚が洗練されれば自ずと解消する。
日常態における三者の不一致は違和感としての思想矛盾に相当するので三者の一致は事実唯真の最終局面といえる。電脳経済学ではこれを梵我一如と呼び、仏教では涅槃寂静と言う。両者の状態は一致し差異は経路に由来する。つまりそこでは宗教も科学もすでに存在せずその詮索もまた空しく意味をなさない。因みに主体・時間・空間の三者を一包みの概念として捉える考え方はルドルフ・シュタイナーからの示唆による。前記錯覚を巡るさらなる定位は人智学あるいはアントロポゾフィーを参照願いたい。三者の消滅が霊界への参入に相当するかどうか証明/説明できない世界については沈黙/無記の外ない。

5.T.P.O.との関連(追加:2013/06/27)
T.P.O.との関連について追加する。T.P.Oは時(time)、場所(place)、場合(occasion)を表す和製英語でWH文と直接的な関係はなく、主として服装の選択や行動の基準と示す3要素として用いられる。空気が読めない人をKYな人と呼ぶ場合があるが、これも隠語の一種である。相手の理解度や性格つまり状況に応じて用語を適切に使い分けないと目的を達成できないだけでなく無用な誤解を招くこともある。仏教ではこの文脈を対機説法/臨機応変と教えている。

[参考資料]
(1)6W2Hで用件を明確にする / ビジネス文書 文例集 - ビジネス図鑑
(2)事業プラン立案に必要な要素「6W2H」 - ドリームゲート