電脳経済学v6> f用語集> csm 宇宙 (the universe; cosmos; space) (当初作成 2000/09/12:一部追加 2003/04/15: 2010/05/07)
左図の説明: (1) 記号説明: @S:(認識)主体 AB:ビッグバン BT軸:時間軸 CX軸:空間軸 (1次元表示で代表) (2) 内容説明: @▽B:存在(宇宙原理) A△S:認識(人間原理) B45度線:光速c CT軸両側:時間領域 DX軸両側:空間領域 E楕円内:世界領域 (オイラーの公式) F▽点線:未来領域 |
|
図csm 宇宙 |
2.論点説明
(1)宇宙に関しては古今東西を通してさまざまな属性解明が試みられてきた。それは宇宙生成論、宇宙構造論、宇宙論的証明、宇宙物理学、宗教的宇宙観などである。宇宙は議論領域としては最も遠大かつ悠久な一切物を対象とする点に特徴があり、それ故に確定的な結論を得ることができない。例えば超ひも理論に代表される現代宇宙物理学による接近もまた反論困難な一つの仮説体系に過ぎない。つまり系を整合的に説明できてもその完全性は証明できない。この意味で証明不可能性は宇宙を規定する本質的な属性である。その理由は光速を超える観測はできないのでその領域は研究者の主観的な推論に頼るほかない。
(2)ちなみに世界とは宇宙の一角を指す。その文脈のもとで、内的世界は小宇宙に外的世界は大宇宙に対応する。さらに地球社会ないしグローバリズムの概念把握に関しては上記<2><3>の文脈のもとで普遍主義(ユニバーサリズム)と人類主義(コスモポリタニズム)に区分できる。普遍主義とは国際連合に代表される超国家的機関を中心に世界統合を目指す考え方であり、一方の人類主義とは自由意志を持った個人の集合体として世界が構成されるとする考え方でNGO組織がその代表事例である。
(3)
地球生命体の捉え方についても、1つの地球生命体が分割されて生物種を形成しているとする考え方と個々の生物種の集合体として地球生命体を位置付ける考え方がある。この全体と部分/個あるいは統合と分散に関してはマクロ(巨視的)とミクロ(微視的)として対応させる場合がある。これは選択問題というよりむしろ便宜的な概念枠組みであるので問題状況に応じてWH疑問文(6W2H)などによる柔軟な取り組みが求められる。
(4) このような文脈を踏まえて電脳経済学における宇宙の第一義的な取り扱いは次の範囲に限定する。先ず代謝モデルでは高温熱源としての太陽並びに低温熱源としての宇宙空間を考察の対象とする。つまり、エネルギーの供給源としての太陽並びにその最終形態であるエントロピーの捨て場としての宇宙空間を対象に設定する。なぜなら地球経済系を巡る現象解明にはこれで十分と考えるからである。人工太陽やテラフォーミングの構想もあるが当面は現実問題の解決には結びつかない。
(5)宇宙の第二義的な取り扱いは経済思想との関連において存在と認識を巡る次の考察に基づく。主体が客体としての存在を認識するには、媒体としての情報が必須である。一方、交換行為は外見的には財(存在物)の交換形式をとるが、実体的には財を巡る属性情報の交換によって裏打ちされる。電脳経済学では、この存在と認識の関係を大宇宙と小宇宙の関係から捉えている。前者は方法論に後者は目的論に対応し両者の統合理解を梵我一如と捉える。この詳細はe20経済思想との関連、e22目的論と方法論、e24梵我一如に向けてに述べる通りである。なお宇宙論についてはビッグバン(情報ビッグバン)、オントロジー(存在論)、人間原理、蝶夢、独我論、見当識においても触れている。
3.追
記:
因みに「cms宇宙」の位置づけは下記による。(2012/03/17)
slp独我論 →csm宇宙→cho蝶夢→mk無記⇒spt時空
4.参考資料
(1)
『宇宙創成から人類誕生までの自然史』―140億年の9つの進化を探る
和田 純夫 ベレ出版
(2)
『宇宙 その始まりから終わりへ』
杉山 直 朝日選書
(3) 『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』人間原理と宇宙論 青木 薫 講談社現代新書 2219
(4) 『身体の宇宙性』−東洋と西洋− 湯浅 泰雄 岩波書店
(5) 『現代宇宙論』−時空と物質の共進化
松原 隆彦 東京大学出版会
(6)
『宇宙は何でできているのか』
村山 斉 幻冬舎